午後の二時頃だろうか庭仕事をしているとゴーという音。もう何度も聞いているのでハヤブサの風切り音だということはすぐに判った。すぐに音のする後ろを振り返ったそのとき、ドスン!という音と共に我が家の屋根に鳥か落ちてきた。一瞬何が起きたんだと思ったが、その鳥がハトであることはすぐに判った。羽根もたくさん落ちてきた。これはもちろん一瞬の出来事。次の瞬間ハトより少しおおきな鳥がハトの脇に舞い降りた。ハヤブサだ。ハトは落ちた直後からピクリともしない。すでに空中で狩りが行われた瞬間に絶命したのだろう。鮮やかな狩りのテクニックだ。ハヤブサは私がいることを、舞い降りた瞬間から認識しているのだろうハヤブサ自身もピクリともしない。数秒後私はハヤブサに敬意を表する気持ちで二、三秒目線を外した。すぐ、もう一度屋根の上を見たときにはハヤブサと獲物のハトはいなくなっていた。あとにはたくさんの羽根が残っているだけだった。この間何秒くらいの出来事だっただろうか、私はこの間カメラ、カメラと思っていた。この冬にシロハラを追ってきたハヤブサを我が家の庭で見たときと同じ思いだった。