利根川の源流部に近い洞元湖でカヌーをしてきました。洞元湖より一つ上流にある奈良俣ダムには、以前かなり頻繁に通ったことがあります。とても居心地がよいところで気に入っていました。今回友人と奥利根のダムをどこか漕ごうと来たのです。まず最下流の藤原湖に行きましたが、水位が低すぎて水面にも近づけませんでした。奈良俣湖に目標を変えて上流を目指します。奈良俣ダムの堰堤が見えるあたりに来たとき、カヌーツアー業者のテントが見えました。聞いてみるとここは私有地ではないので複数の業者が使っているということです。私はこのダム湖にはすぐ隣の私有地以外カヌーを出せるところがないと思っていたので、さっそくここから出艇することにしました。水位はほぼ満水です。ここはダムのバックウォーターに近いところです。
漕ぎ出してすぐ目に付いたものはカワウ。あちこちにいます。飛び立つときは水面を駆けるようにして白いしぶきを上げて水面すれすれに飛んでいきます。ほかにはカモ。トビ、ピーヒョロロと鳴いたので名前は一挙に解決。もう一羽の猛禽類はクマタカか、素人目には判りません。
湖を囲む緑濃い山の上には白い入道雲、湖面は穏やか、吹く風は酷暑はどこの話かと思わせる爽快さ。
Uの字を逆にたどるように東から南に漕ぎ出し、ダムサイトを横目に北上すると左手に鉄橋の架かる芦沢が近づいてきました。ここはすでに利根川本流です。右手の対岸には小さな流れ込みの入り江が見えます。ここを今日の到着地点として上陸。小さな流れはすぐに急な山肌に滝となり、仰ぎ見れば岩山が迫ってきます。この湖は花崗岩とグリーンタフが目に付きます。入り江には朽ち木が立ち並びちょっとした探検気分です。
一休みののち、向かい風をハイピッチで漕いで戻りました。帰路は久しぶりにシングルブレードのパドルで漕いだのですが、Jストロークは静かで力強い手応えがありました。