前回はスダジイ、マテバシイ、シラカシ、ウバメカシ、クヌギを取り上げました。先日谷川岳の近くの山に行ったのは一つにブナの実が見られたらと思ったからです。残念ながら今年は裏作だったらしく実はまったく見られませんでした。

クリ、クリもブナ科の樹木です。写真は野生の山栗ではなく、私の育てている栽培種のものです。今年も何度か栗ご飯でいただきました。イガにあたる殻斗のトゲが堅く丈夫ですから靴で踏みつけてこじ開けないと収穫できません。古くから重要な食料であったことは承知の通りです。それはアクがなく甘みもあり、なんといっても実が大きいことだと思います。ブナもアクはなくほのかな甘みもあり、栄養満点ですがなんといっても実が小さいのが最大の欠点(だとおもう)。その証拠にブナを使った料理など私は聞いたことがありません。その点、栗は上げればきりがないくらい料理に利用されています。私が一番好きなのは”モンブラン”です。食用にしている部分は子葉に当たるところで、発芽するとこの分厚い子葉の栄養分で初期の成長をするのです。豆類と同じですね。
コナラ、コナラの実は山の生き物の餌としては重要だろうけれど人は利用しないようだ。もっぱら椎茸のホダギとしての利用が多いと思うが、かつては薪炭材として重要であった。切ったあと10年もすれば切り株から成長したひこばえもまた切れるくらいに成長するので利用には便利であった。低山にはこのような利用をした株立ちのコナラ林がたくさんあった。コナラは葉柄が長いのでミズナラとの区別は容易である。ミズナラはコナラより少し標高が高いところに多いようだ。日光の中禅寺湖畔にはほれぼれとする巨木がたくさんあった。特に西ノ湖は印象的で忘れられない。ドングリではない。木の実。サザンカの木の実はお茶の木の実に似ていると思いこんでいたが、椿の実の方に似ているのだと知った。割れれば椿の堅くて濃い色の実に似たものが出てきそうだ。 これは何かといえば、おそらくナンキンハゼの実ではないかと思う。まだ未熟果だけれど熟せばロウもとれるのだろう。紅葉が美しい木で一度育てたことがあったが、気候のせいかあまりきれいに色づかないのと成長が早くてじゃまになってきたので勝手ながら切ってしまった。
ご存知ハナミズキ、鮮やかな赤い実が美しく、おもわず毎年見とれてしまう。 ツバキの実、一時は木の実を拾って椿油を絞ってみたいと真剣に考えたことがあったけれど、考えているうちに実のなるシーズンが過ぎてしまった。ポポーの実、わが家にも植えてあるのだがまだ実はならない。従ってどんな味がするのか判らない。人は美味しいという。早く食べてみたい。