桂の木は落葉が一番早い。もう三分の一くらい落ちてしまったかも知れない。落ちて萎れた葉からなんともいえない甘い香りがほのかに匂う。カラメルの匂いに近いかも知れない。始めの頃はまったく気づかずにいた。数年前に長野から来たという方からいい匂いがすると教えられたのです。それでも一向に匂ってきません。ところが昨年から突然この香りに目覚めたのです。なぜだか判りませんが濃厚な甘い香りがするではありませんか。こうなると何でいままで判らなかったのかと思うくらいはっきりした香りです。この香りに限りませんがバラなどもいい香りをかいでいると幸せな気持ちになります。
中国では「桂」と書いてキンモクセイを指すそうです。キンモクセイもよい香りがします。秋を感じさせる香りです。日本では古く香気を持つ樹の数種を指したそうです。いまのように「カツラ」一種だけを指すのではなかったのです。
カツラは巨木になります。高さ30mくらいにもなるものです。沢沿いに山を登っていると沢の水に接するようなところに萌芽更新した株立ちの古木に出会います。このように動いている水が好きな樹のようですが水分が多ければ育つようです。私は木工作が好きですが、カツラは古く重要な樹種であったようです。成長も早く通直で枝が細いので節も少なく加工しやすいからでしょう。でも、盛んに植林するというのは聞いたことがありません。あまり堅くないので器具材としての用途が限られるのかも知れません。

紅葉が始まった樹はアメリカハナノキ、後ろがカツラ
カツラの葉は対生でハート形。似ているといわれるハナズオウの葉もハート形だが、付き方は互生。表面は照り葉、やや厚め。似ているのは形だけかも。
わが家には二本のカツラがある。家のすぐ前のは15年くらいだが根元は30㎝くらい。

町道に近い入口付近にもう一本海外で日本のカツラは評価が高いらしい。
日本で街路樹は少ないが北海道や軽井沢にあるという。