クリの一枚板で座卓をつくりました。元は40ミリの厚さの板でしたが反りを取ったら35ミリになりました。長さも両端のひびのあるところを取り去ってちょうど1メートルになりました。脚はクリの厚物は持っていないので、ケヤキを使いました。これはたぶん私が保管している間に空けられてしまったクマバチの大きな穴がたくさんあります。ほかに適当な材料がないのでこれを使うしかありません。正直マイッタなと思いましたが、とっさに、かえってこれは面白いものができるのではないかと発想の転換を瞬時に行いました。それというのもクリの板自体も長方形にせず、丸太のときの縁をそのまま生かして使うのでそれともマッチするのではないかと思ったわけです。
脚はネジで取り外しができるようにオニメナットというものを板の裏側に四か所埋め込みます。このオニメナットというのは内径側に普通のネジが切ってあり、ここに脚に付けたネジを受けて固定してくれるのですが、このナットの外側にも木に食い込むような薄いネジがらせんになって付いているので、これを使って板に空けた穴にこのオニメナットを固定することができるのです。まったく持って優れものです。
脚はねじ込みですから、四角の脚にはできません。ねじ込んで締まったところが斜めではみっともないですから。でもロクロがないので丸棒をつくるのはとても時間が掛かってしまいます。従って脚は八角形にしました。これなら作るのが楽です。
この文の一番はじめに40ミリの厚さの板の反りを取って35ミリ厚になったと書きましたが、一枚板で机やテーブルを作ると経年変化で板が反ってきます。そもそも板という字を見てください。木が反ると書いて板と読んでいるのですから板は反ってあたりまえなのです。家具には反りを防ぐ工夫が必要になります。それが吸い付き桟です。三枚目の写真がそれです。蟻形(溝の側面が90度より大きくした溝で、逆ハの字の形をした断面の溝を彫って、そこにケヤキなどの固い木を打ち込んで反らないようにします。これを吸い付き桟といいます。集成材は反りませんからいりません。これを板の両側に付けました。
仕上げはワトコのオイルフィニッシュです。なかなかよいのができたと思います。孫の勉強机になるようです。

オニメナット

吸い付き