友人から電話が掛かってきて、カヌーか山に行きたいとのことであった。さて、もう紅葉も終わって冬枯れの景色でカヌーも寒そうである。そこで近くの山でまだ途中までしか行っていない高田山へ行くことにした。高田山は最近も事故があったので気をつけなければいけない。用心に細いロープをザックに入れ、友人を待った。以前東の駒岩から石尊山に行っているので、今回は西側のわらび峠から登ることにした。友人の車で沢渡温泉の手前で右折し、反下温泉をへてわらび峠への道をたどる。峠周辺では伐採作業をしていた。土場で登山口を尋ねると、もう一つ先の土場が登山口と教えてくれた。土場には広葉樹、桧、杉と分類して集材した木々が山になっていた。ブルドーザーで作業道を作りながらの大規模な伐採のように見えた。
さていよいよ山登りである。下の方は山仕事のピンクのテープがたくさんある。足下には択伐した木が散乱して登山道がわかりにくい。数ヶ所に赤布を付けて下山時の目印とした。10分も行くと道は安定し、静かな登山が出来そうだ。明るい落葉したよいコースである。コースの中間にある尾根上唯一のコブを超すと道は狭くナイフリッジになり傾斜も増してきた。友人は少し苦労しているようである。両側はとても急な斜面なので気をつけなくてはいけない。慣れない人にも大胆かつ慎重であることが求められる。頂上は一等三角点であった。北から冬の雲が量を増してきているのでゆっくり休んでいられない。傾斜の緩くなるところまでアンザイレンして下った。何とか雲は増したもののよい天気が続いた。宏闊な唐繰(からくり)原を秋の日を浴びて帰路についた。

一週前には白かった白砂山も雪が消えてしまった。