明日から関東も、平野部まで積雪のおそれがあるという予報だ。その前にどこか登っておきたい。と思い中之条の東谷山に出かけた。まず手始めに、最新の2.5万図に新しく記載された「荒船・東谷風穴蚕種貯蔵所跡」を訪ね、そこから登れそうなら東谷山に登ろうという計画だ。

地図左下の赤坂までは、国道145を北に折れ、赤坂川に沿う県道に入る。あとは、風穴の大きな看板を右折すると、赤坂の集落へ来る。

地図の黄色の町道が、緑色の林道に入るところから東谷山を見上げた写真。道のすぐ脇に風穴の大きな看板がある。

林道から風穴への道に分かれるところに、最後の標識がある。私たちはこれより下の道路脇に駐車したが、普通はここからは歩き。

しばらく行くと、石垣が見えた。思ったよりもこじんまりとした史跡だ。

近くの標柱には中之条町史跡となっていたが、いまは国指定史跡だ。
友人の奥方は、低温貯蔵するのは、自然のサイクルに任せていては年に一回しか繭がとれないけれど、低温貯蔵することで、年に二回、三回とふ化時期をずらして養蚕をすることができるようになるのだ。とのこと。なるほどそれで生産量の向上になったというわけですね。
ここは、吾妻一円の養蚕農家に使われたらしい。


 周囲は岩壁が連なっていて、尾根に上がれそうな弱点は少ない。
コーヒーでも飲んで次の作戦を相談しているところへ、思いがけなく山から年配の男性が下りてきた。
ビックリ!人に会うとは思ってもいなかった。この先に道らしきものがあると聞いて、作戦は決まった。


思ったより簡単に道に乗ることができ、尾根に到着した。あとは、急な尾根を登り詰めると、石の祠のある山頂に着いた。一緒に来たギターリストの友人が、朽ちて穴の空いた山頂標識を拾った。そこには伊賀野岳(あづまや山、名久田富士)と判読できた。


山頂の祠には貞享(じきょう)四年(1687)と読める年号があった。遠くに横手山とおぼしき白峰や白砂山が見えた。樹林が濃いので展望は判然としない。

四等三角点。周囲には、どうした訳か、山と書かれた図根点の石柱が三本も、あちこち狭い範囲に、散らばっていた。
余談だが、帰りに友人夫婦が中之条の駅近くに、安くておいしい台湾料理屋があるというので行ってみた。ほんとにその通りで、二人前を三人で食べたが、それでも久しぶりにたくさん食べた。