オープンガーデンのあるここ、古谷集落には小正月の行事として、どんど焼きと、その日の夜に、福の神という二つの行事がある。今年は一月十四日。どんど焼きは、おなじみ松飾りなどを焼く行事。繭玉に似せたこめ粉の餅を、ミズキの枝に刺して、スルメなどと一緒に焼いて楽しんだりもする。毎年甘酒がみんなに振る舞われる。ことしはここに蜂蜜をたっぷり混ぜて、皆に、「味に深みが出てうまい」と好評だった。途中風が強くなって火の粉がまう。枯れ草に燃え移るのではと、はらはらさせる一幕もあったが、無事終了したようだ。  私は中之条の鳥追い祭りを見に行くので途中で失礼した。     もう一つの行事が福の神。獅子舞を先頭に住民、子供が続き、家々で福の神の囃子詞を唱和して、ミカンや菓子、餅、その他、それぞれの家々で趣向を凝らしたものをまくという行事だ。大変楽しくも平和な行事だ。

まずは、どんど焼き

岩櫃山をバックに松飾りなどに点火される。大きな穴を掘ったところに、椎茸のホダギの使用済みの木が、井桁に組まれている。そこに竹や、門松、去年のだるまなどが積み上げられているのだ。

 

 

 

 

燃えているときは、竹がはぜてバン、バンとにぎやかだったが、火が落ち着いた頃を見はからって、繭玉やスルメが熾火にかざされる。

次は夜の部、福の神

 

 

 

いよいよ福の神

子供がテンテケ、テンテケ叩きながら家に向かいます。皆手に手になんというのか、お払いに使うようなものを手にしています。他に重要なものは、各家々でまかれるものは、けっこうな量になるので皆ザックをしょったり竹で編んだ大きな篭をしょってきます。買い物のビニール袋では手が痛くなってしまうのです。

 

家に着くと、みんなで「明けませい!」と叫びます。すると家人が戸を開けて挨拶と今年のお札を渡します。それが終わるとみんなで囃子詞を叫びます。

福の神 はらいこめ!

貧乏神 はらいだせ!

疫病神も はらいだせ!

小判と小粒をはっこめはっこめ!

 

 

 

みな声を合わせて叫びます。

 

 

 

 

 

 

このあと、いろんなものがまかれます。皆あらそって拾います。私は以前、こっちにもまいてくれ!と、言われたことがあります。まくのに夢中でまんべんなくまくということを忘れてしまったのです。

 

 

 

 

戦いすんで日が暮れて、次の家へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ我が家の番です。窓ガラス越しに撮りました。  みんながそろうと「開けませい!」と声がかかります。

 

 

 

 

 

 

我が家からのプレゼントを撒き終わって、皆はまた次の家に向かいます。 陽が沈むと急に寒さが加わり、街路灯がないのであたりは漆黒の闇。街中では暗くて1mも進めない。なんてことはありません。でも、ここは本当の闇。ヘッドランプが必要です。持っていない人は電気のあとをついていきます。

 

 

 

みんなががんばってくれたあとです。

これを書いているいま、まだ、たいこのテケテケという音か聞こえます。まだあと一時間は続くでしょう。