奥四万湖へ紅葉見物とカヌーをしに行きました。移動性高気圧が来て、穏やかなカヌー日和と期待しましたが、やや肌寒く感じられます。山の木々の葉は、ほとんど散りかけて、もみじだけが紅く輝いていました。

四万湖は県立のダムで、管理事務所で参加者の名前を届けるのがルールになっています。管理事務所の車に先導されて出艇する場所まで案内され、フェンスの鍵を開けて貰いました。

カヌーの出艇場所は、湖の左岸にある稲包せせらぎ公園というところです。広い駐車場と散策路が整備された公園です。駐車場から湖面までは300mくらい遊歩道を下ります。

長雨が続いた今年、ダムは満水です。ターコイズブルーの湖面は美しく、湖面からは公園の名になっている稲包山のピラミダルな山頂も望見できました。30年前この山を登りに来たときは、ダム工事があるとは知らず、四万温泉の先に来て、夜空を欺くかのような照明に照らし出された工事現場を見ました。山登りどころではなく、呆然としました。夜道を引き返し、大道峠の知らない道を猿ヶ京に出て、翌日登山を果たしたことが思い出されました。

山の上の方はもうほとんど葉が残っていないのですが、場所によってはまだ紅葉を楽しめるところもあって、青い湖面を一周しました。

奥四万湖には大きな沢が二本流入しています。一本は湖へ真北から流れ込む四万川本流で、上越国境稜線や稲包山からの沢を集めています。 国土地理院地形図が示す湖面よりも、ずいぶん奥まで水面が続いていました。しかし、流木が詰まっていてバックウォーターまではたどり着けませんでした。

本流から大きな湖面に戻ってきたとき、カヌーツアーの艇と出会いました。

もう一本の沢は東から流れ込むノブドウ沢です。しかし、この橋をくぐったら湖面はとぎれて流れ込む沢は確認できません。伏流になっているのでしょうか。

この湖は酸性の湖水で魚は生息していないそうです。しかし、湖水はきれいで、かなり深い湖底まで見ることができました。

魚ばかりでなく水鳥も、小鳥もカモシカも、猿も生き物には何も出会えなかったのはさみしかったが、秋の好日を楽しみました。

駐車場に戻って、カヌーを車に積もうとしていたとき、若い女性が、興味深そうに木製のカヌーを見ているので、これ自作なんですよ、と言ったら「これ自作なんだって」と仲間の人たちに言ったら急に人だかりになってしまった。仲間の一人のハワイから来たという年配の男性が何の木で作ったのかと聞いたので、スプルースだというとスプルースは軽くて丈夫なよい木だという。スマートフォンの写真を示して、この飛行機もスプルースでできているんだという。私が「水上艇ですね。いまも飛べるんですか」と聞くと「いまはスミソニアンにある」というので、みんなで大笑いした。ハワイではもっと幅は狭いが長いカヌーで島と島の間を漕ぐレースをやるんだという。若い方のハワイからの男性が私が着ているジャケットを見てそのジャケットがいい。自分もほしいという。どこで買えるのかと言うから、これは、モンベル製のパドリングジャケットだからどこでも買えるよ。と教えてあげた。ハワイでは必要ないと思うけど。 ダムサイトで再びこのグループに出会ったら、ヤーという感じでみんなが手を振ってくれた。終わりよければすべてよし、気持ちのよい一日であった。いっしょに遊んでくれた友人のギターリストも喜んでくれた。ここは全域が火を使えないので、登山用のガスバーナーでコーヒーを沸かして飲むのを楽しみにしていたのに、残念!  オープンガーデンの自宅に帰ってようやく一杯のコーヒーにありついた。