岩櫃山の成り立ちを調べている内にいつの間にか ”にわか”地学ファンになってしまいました。本屋さんにある関係書籍はみんな買い占めたくなって困ります。でも資金がないので新書版で我慢しなければならないのが無念というか、分相応なのでしょう。しかし,いまはネットの情報が豊富で、研究論文にも容易にアクセスできるので、特定地域の情報はこれに限るようです。今回もそれらの情報と、「浅間火山北麓の2万5000分の1地質図」早川由紀夫を教科書に、友人と現地を訪ねました。

今回の見学か所と、見学順序を赤字で示しました。地図の右は長野原町、左は嬬恋村です。見学に先立って嬬恋村のジオパーク事務局(JR万座鹿沢口駅前)を訪ねて、嬬恋湖成層へのアドバイスと、資料を頂きました。

高羽根沢は全長10km未満の沢なのに、車を置いた嬬恋村農村環境改善センター駐車場から前の沢を見たときから、今日は、目的地にたどり着けないかも、という予感がした。それほど沢の大きさに較べて、水量がとても多いのです。沢が廊下状になったらアウトです。はじめ、左岸沿いの農道からすぐに橋を渡って、右岸に移り、急斜面をトラバース気味に獣道を拾って進みます。滝かと思う水音は二か所の堰堤です。下をのぞくと、とても河原沿いには通れません。やむなくどんどん上に追いやられて、写真のような高みから目的の湖成層を遠見することになってしまいました。

沢の水が減水した頃にまた来ることにしよう。出発点にはこのまま斜面を上がって農道を下った。

紅葉真っ盛り。造園業者の広大な敷地に、いろいろなカエデが赤、黄色、洋種の針葉樹の緑と,とても美しい一角があった。流れ山の少し南。

③の黒岩。16世紀の浅間の高温の溶岩が、表面が急冷されたあと、内部から膨らんで、表面に割れ目ができたのだという。付近一帯は大きな民家一軒分くらいの大きな溶岩がそこら中に屹立、あるいは伏して、真っ赤な龍がのたうつように流れた当時がしのばれます。別荘地のはずれにある。以下3写真同様。

④これも別荘地内のロータリー交差点の中央にある黒岩。

⑤の黒岩。初めて説明プレートがあった。とぎほり石という名が付いていた。

10世紀の火砕流の末端部分。5~6mの高さがある。浸食されたのか、上の草木がオーバーハングしている。浸食がこんなに早いのだろうか。すぐ下には地蔵川が蛇行して流れているが、ここと川の間はわずかに段丘のように平地が挟まれている。道路からそこへ降りてこの写真を撮った。