暑い日が続いています。毎日庭仕事に明け暮れているので、きょうは気分転換に赤城用水を見に行き、なかでも円筒分水工という農業用水を分水するシステムを実見するのが目的です。

古人はいろんなことを考えるものだと思います。日本は雨が多く稲作に適するとして水田が山間の谷にも、急傾斜地にもいたるところに広がっています。しかし、細かく見れば水の少ないところもあり、そういうところは昔から水争いが絶えず深刻なところも多いのです。
赤城山の南麓もそんなところの一つでした。赤城山から南西に赤城白川という川があります。白川というのは川が干上がって白く乾いた川底を見せる川ではないかと思います。火山の山は水が地中に吸い込まれて伏流水となりやすいのです。
この赤城白川の右岸(上流から見て)にある原之郷の名主であり、維新後の日本の農業や生活の近代化に尽くした船津伝次平が、赤城大沼から水を引くことを提案しました。
実際に工事が始まったのは昭和17年でした。完成は昭和32年です。用水はおよそ8km、うち大沼から峠の下をくぐり、赤城白川までおよそ2kmがトンネルです。途中2箇所の分水工と2つの小規模水力発電所があります。
私が見学したのは峠を抜けて地表に出てきたところからです。上流から順に下っていきましょう。

ここに来る前に富士見支所の赤城用水改良区を訪ねて54番目のカーブがトンネルの出口です。と担当のお嬢さんが教えてくれたのですぐにわかりました。
急なカーブですし、車は離れたところにとめなければならないので、注意が必要です。見るスペースもありません。
道のわきに1m近くの穴から水が勢いよく出ています。赤城沼の水が2kmのトンネルの旅を終えて再び地表へ。
道路をくぐって出てきた用水。
改良区で教えてくれた用水のすぐわきに小さな白川の流れ、いかにこの川の水量が少ないか見てきてくださいと、云われました。
よく見るとわずかに流れているという程度。
約3km下流に白川からの取水口(頭首工)がある。
この少し下流に前橋市の小さな発電所があるので、ここでは取水した水の砂や小石を沈める沈砂の役割もする。
イヤー、ここは別天地。涼しいなんていうものじゃない。ここまではほとんど人は来ない。
金属ネットはゆっくりと上に動いてごみを自動的に除去してくれる。
マイクロ発電所。すぐ左に用水がある。水車は縦軸のフランシス水車
現在220.8kwを発電中、住宅50件分
右から発電に使った用水が合流。
最初の分水
円筒の中心から用水が逆サイホンのように上がってくる。ここでは円周を6等分して5対1の割で分水している。右側に1だけ分流している。
手前に1
ここの上流側に隣接して改良区の管理するマイクロ発電所がある。ここは50kw未満の超小型。
さらに1kmくらい下流に二つ目の分水工がある。
ここは1:1に右と左に分水している。どこもきれいに管理され地元の方たちによる植栽もあり、土地柄がしのばれる。
分水した水は周辺の小川に流され、そこからさらに田へ灌漑されるという。
そろそろお腹がすいてきたので来る時に見た農産物特売所を当てにしていったら長期にわたって営業していないようだった。
ACOOPに寄ったら小さなキャベツが300円だった。田舎も野菜が高い。

箱田のあたりか、案山子の品評会
かわいいね!コロナはとんでけ!
こんなのもありました。いろんな趣味の人がいるものです。
我が家で遅い昼食をとりました。