晩秋からいまの季節に草藪の中を歩くと服にいろんな草のみがくっついてきます。しっかりくっついているので一つづつ丁寧に取らないとなりません。急いでいるときなどいらいらすることもあります。でも、植物にとってそれが生き残り戦術なのですから、人間としてはやむを得ません。これはコセンダングサの草の実がぎっしり付いた草藪です。こんなところに無造作に入ったら大変。ズボンは草の実だらけになってしまいます。
実の部分を拡大してみると、こんなやつですね。先が割れていてこれが服に刺さってとれないわけです。この丸いまま刺さってくれればまとめて取れるから楽なのですが、そうは問屋が卸してくれません。刺さった瞬間に種はバラバラになってあちこちに広がって刺さってしまいます。これも戦略。木枯らしがびゅーびゅーと音をたてて吹いても種はバラバラにならないのに人や動物に触れたとたんにバラバラになるのです。
先は二股になっているのかと思ったら三つ叉になっているんですね。釣り針の返しと同じにトゲトゲがあります。それに一つではなくいっぱい。種のサヤの方にもトゲがあります。念が入っています。絶対離さないという執念すら感じられます。釣り針というよりもヤスですね。
コセンダングサは江戸時代の帰化植物だそうです。でも、原産地は判らないと本に書いてあります。センダンは私のブログに以前出てきましたが、それの葉が似ているというので名付けられたようです。くっつき草はよく知られるものにオナモミ、ヌスビトハギ、イノコズチなどがあります。服に付いたらたいへんですよ!
これらの写真は顕微鏡モードの付いたカメラを手に入れたので撮ってみました。ついでにもう一枚。シオンの種です。