以前このブログで埼玉県宮代町立笠原小学校の竜宮城のような校舎を紹介したことがありました。象設計集団によるユニークで楽しい小学校です。東武動物公園の隣にあるのですが、この小学校に隣接して「新しい村」という里山を再現した広い施設があります。今回はここの雑木林を中心にドングリの観察をしてみました。この観察のきっかけは昨年オープンガーデンにいらした方がここのオープンガーデンの名前に「どんぐりの庭」と付けたことがあって、それでどんぐりの質問を受けたことがあったのです。「椎の実はどんなドングリか」というようなことだったと思います。それで、ドングリのシーズンになったら少しずつドングリの写真を集めてみようと思ったわけです。ドングリだけでなく木の実も興味深いので合わせて登場します

椎の実とは、スダジイの実のことを指します。ドングリの仲間はブナ科の樹の実で堅い殻に包まれていますから堅果といいます。もう一つの特徴は殻斗、外側にある殻ですね。スダジイの場合実が未熟のうちは殻斗が全体を覆っていて、熟すと3つに裂けて堅果が顔を出します。シイ類の実は花が咲くとその花による実は翌年の秋に実るのです。この次に紹介するマテバシイも同様です。それと、シイ類はあく抜きしなくても食べられます。若かったとき同僚の教員がこの椎の実をたくさん持ってきたので煎って食べたところとてもおいしかったのでついたくさん食べたことがあります。

未熟なスダジイ(中央上)、右下4つの小さなドングリもスダジイの実、細長いドングリはマテバシイ。左はシラカシ。マテバシイ、堅果は細長く大きい。マテバシイという名前からマテガイを連想しませんか?そうなのです。あの細長いマテガイに実が似ているから名付けられたのです。ちなみに前のスダジイはシタダミ貝に似ているのが転訛してそう呼ばれるそうですが私はその貝を知りません。シイ類は似てることが多いですね。
シラカシ、普通カシというとこの樹を指すようです。関東では風よけに家のまわりに植えて刈り込んだのをよく見かけました。刈り込みや移植によく耐える丈夫な樹です。
ウバメガシ、そう、備長炭になる樹、成長が遅いのか大木は見ない。炭の炭素含有率が95%といわれ不純物が少なく堅い。
枝の先端の葉の付き方が独特。輪生している。葉だけを見たときはモッコクのようだと思いましたが、少し感じが違います。モッコクはツバキ科だから丸い実でドングリとは違います。調べてみるとウバメガシでした。
クヌギ、漢字で椚、櫟、橡など、字が多いということは身近な樹だからか、里山の主。殻斗の鱗片が長くて、もじゃもじゃした感じ。実は丸くて大きめ。ドングリとはこの丸いクヌギの実のこと。子供の遊びに絶好。
とりあえず今日はここまで