杉で孫の学習机とセットの椅子を作りました。杉や桧などの針葉樹は建築材として身近なものです。しかし椅子をはじめ、家具や日用小道具の用材として使われることはほとんどありません。桧はそれでもときどき見かけます。それは杉に比べて重く、重いということは材料が緻密であることを意味します。杉はその点軽く材は柔らかい。年輪の夏と冬のところの堅さ、柔らかさが大きく違って加工しにくいということがあります。製材された木を見ると見た目にも桧は杉ほど木目がはっきりしませんが杉は明瞭に木目の色の濃さか違います。材の堅さが均一でないのです。これが杉を器具材として使いにくい一番の理由だと思います。しかし今回杉丸太をたくさん入手したのでそれを生かしたいし、杉の木目が好きなので工夫して使ってみようというわけです。

椅子の座面を加工します。このように杉を曲面で使うとき堅さが不均一であることが、加工のし難さとして欠点になってしまうのです。堅い木目は普通に加工できますが、柔らかいところはスポンジを削る感じになるのできれいに削れません。そこを何とかごまかし?て座面を仕上げました。 椅子作りで肝要なことは座り心地の 良さでしょう。それは座面と背板にあると思います。背板のカーブは重要なのですがこのカーブが背中にフィットすればそれでいいのかというとそればかりではないのです。背もたれが肩くらいの高さまであれば問題ないのですが、これは学習用の椅子。それほど高い必要はありません。すると背板に寄りかかったときカーブはよくても背板の上の縁が緩やかにラウンドしていないと背に当たるのです。この椅子の背板の厚さは5cmありますが、上端では1㎝しかありません。上側を緩やかに丸みを付けているのです。こうすると寄りかかったとき背に当たる感じはありません。背板に薄い板を使ったらこの座り心地は得られないのです。