御飯(おめし)岳に登りたいと思ってから2年目にしてようやく行くことができました。それというのも志賀草津道路の閉鎖です。開通したので行こうと思うと閉鎖の繰り返しです。何回かチャンスはあったのですが、同行者の希望で隣の山になってしまったりもしました。今回も3、4日くらい前に火山の活動が安定してきたので開通するというニュースを聞き、このチャンスを逃すまじ、と実行したのです。
御飯岳はこのあたりでは四阿山、草津白根山についで高い山です。四阿山にも劣らない大きなカルデラを伴っています。このカルデラも西の長野県側が崩壊してひらけている点など、地形的にも四阿山とよく似ていると思います。しかし、知名度はだいぶ劣ります。そのおかげで静かさを持っています。山の花も比較的多そうにも思いました。今回の登山ではウメバチソウが登山道の脇に広範囲に咲いていて目を楽しませてくれました。野鳥は一日中カッコウが良く鳴いていました。元気づけてくれる声です。コマドリ、ウグイスの声も盛んに聞こえます。ルリビタキがつがいで遊んでいるのも見ることができました。コースの下部三分の一は展望も良く風が良く通ります。上部は針葉樹林帯で晴れていたきょうは良い日陰を提供してくれました。夏鳥も多く声を聞きながら楽しく歩くことができました。それにシラビソの木の香りが心を落ち着かせてくれました。よい山です。

御飯岳は万座温泉の西、群馬ー長野県境上の山です。須坂市からここへ上がってくる道路もあり奥深い山ですが、道路は発達しています。今回おまけに北隣の小さな山、老ノ倉山へも登ってきました。

志賀草津道路は8時にならないと開通しないのであちこち寄り道して時間をつぶしました。草津の西の河原公園にレンゲツツジがきれいに咲いていたので覗いてきました。近くのマンションに住んでいるという話し好きな方の話を聞きながら目的を達成しました。

通行止めの遮断機のところではシャクナゲや鮮やかな色のミツバツツジ楽しみました。いまがちょうど盛りのようです。
 山に入り最初の小さなピーク毛無山を登っているとさっそく野鳥があらわれました。ビンズイのようです。写真を撮るのに夢中で、さえずりは聞き逃しました。
毛無山を越すととても感じのよい山になってきました。細いトレールが続き、植物の根がまだ健全で土壌があまり浸食されていません。まわりは背丈の低い笹、ハイマツ、コケモモ、ガンコウラン、あちこちにかわいいウメバチソウが咲いています。
毛無山から見た、これから向かう御飯山です。いかにもどっしりと風格があります。北アルプスもだんだん雲がかかってきます。
この山は少し急なところと、緩い傾斜が交互にでてきます。それを3回くらい繰り返すと頂上です。
古い標石です。最初見たとき一等三角点かと思いました。大きく見えました。でも三等でした。登り一時間十五分でした。

いい山でしたが下ってくると細い登山道のあちこちに、登りにはなかったハイマツやガンコウランの枝が刃物で切られてたくさん散らばっていました。大してじゃまになるものでもなし、自分の庭でもないのにやたらと手を加えるのは考え物です。通行に大いに障害になる、危険を伴うなら仕方ありません。しかし靴や服をを少しこするくらい大目に見てほしいものです。

帰りに寄った隣の老ノ倉山は踏み跡はあるものの背を没する笹ヤブが覆っているやっかいな山でした。背をかがめて両手で笹をかき分けて登るのもけっこう疲れますがあっという間に展望のある山頂に到着しました。北から間近に見る御飯山はピラミダルな均整のとれた鋭峰でした。