わが家の北面には岩櫃山が目の前ですが、南面では榛名山の居鞍岳が一番よく見えます。居鞍岳から東に鬢櫛(びんぐし)山、烏帽子ヶ岳、そこから長い尾根を引きながら、高度をやや下げて、ぽこっと飛び出た山が見える。この山が梓山である。尾根上の肩ともいえるが、ここからいきなり尾根は高度を下げるところにあるのでとても目立つ。立派なピークである。わが家からは毎日見えるので、「登りに行かなくちゃ」と思うのだがこの山は山の木の葉が全部落ちてからでないと上れないので、春先か初冬しか登山の適期がない。ヤブがあって、見通しが利かないとルートを誤るのと、なんといっても歩きにくい。
梓山を初めて知ったのは、ネットで「クタビレ爺さんの山日記」でだ。いつの頃から神話伝説があるのかは判らない。梓という名前は樹木の梓(ミズメ)が生えているからか、と思ったが、今回行ってミズメの木はないようだった。
実は、この山に登るルートとして考えていたのは、泉沢に伸びる西側の林道を使って梓山1144mの南西側の谷からというコースである。地図で見る限りあまり険しくなさそうなのと、林道さえ使えれば最短コースになるからだった。
今回このコースは使わずに尾根コースにしたのは、単に、まずは尾根コースからという常道?にしたがっただけ。この尾根コースは登りが下りで、下山が登り。というなんともへそ曲がりで、疲れてきたら登りになるという困ったコースなのだ。
朝8時出発、8時15分湖畔発。烏帽子ヶ岳とのコル(鞍部)に15分で着いた。ここに標識があった。思っても見なかった。レギラーなコースなのかなと思った。

この標識の背後の道は、これ。中央の微かな道。
でも、よく見てたどればコースを外すことはほとんどない。
これが、さるかけ橋 突然足下に現れた。地図上の○印のところ、ここまで35分
通過したあとに立派な標識が。コースのワイルドさととの落差が大きい。でも過ぎてからの標識とは、逆方向から来るのがノーマルってこと?
梓山が見えてきた。意外と近い。
最後の登りが急だというのでアイゼンを持ってきたけれど、普通の急坂だった。バイルも持って行こうと思ったけれど、大げさなので、手がかり代わりに庭の草取りを持って行ったがみんな使わなかった。1時間15分で頂上着
これらの岩がヤマトタケル伝説に見立てられているようだ。一番東の登ってすぐの岩には、祠があった。
帰りは空が雲だらけになって寒々とした景色だった。今回収穫というかオマケは往路、さるかけ橋を過ぎたところで熊を見たことだった。行く手50m位先を横切るように大急ぎで駆けてゆく一年子くらいの熊だった。彼が風上にいたのになぜ先に気づいたのだろう。それで助かったのだけれど。復路も往路と同じ時間だった。10時40分湖畔帰着。
追記:わが家からの梓山 梓山の右上の黄色の点はUFOではありません。風に舞う枯れ葉。右が烏帽子ヶ岳