うっとうしい長雨が続くいまの季節、半夏生(はんげしょう)の花が咲きます。ドクダミ科の草で、この季節に花穂が伸びて、上の方の一部の葉が白くなってきます。夏も盛りになるともとの緑に戻るようです。
きっと花穂に虫を寄せて受粉を促進するためでしょう。受粉が終われば白い必要がないので緑に戻るという、合理主義の草です。
それは、たぶん葉緑素には紫外線を防ぐ役割もあり、白い斑入りの葉を持つものは夏の強い紫外線にさらされて葉やけを起こしてしまいます。そうなっては元も子もないので、用が終わればもとの緑に戻るというわけです。すごいですね。
この半夏生の咲く頃は暦で「半夏生ず」という七十二候・雑節に当たります。
長雨が続き、ときに大雨になることが多い季節です。今年も北海道や近畿、西日本で大雨になっています。こういうことから、この候になる前に畑仕事や田植えを終え、この候にはゆっくり体を休め、体力の回復を図る。そのためにお祓いをしたり、忌み日を作って仕事をしないようにした昔の人の知恵もすばらしいものです。